ここがポイント!
- 紙申請と電子申請では、署名・捺印、文字数制限、旧字体の取り扱いなどに違いあり
- Charlotteなら、公文書の管理も楽・e-Govにはない管理上のメリットあり
社会保険労務士法人アールワンの西嶋です。
2020年4月から大企業の電子申請の義務化がスタートしました。
従来から紙申請をメインとしていた企業にとって、システムの選定、電子証明の取得、業務フローや社内ルールの整備など大変なことが多かったと思います。
電子申請の導入によって、役所に出向く、手書きで申請書類を作成する手間がなくなりますので、紙で申請していた時に比べて、作業時間が大幅に短縮されます。
これは電子申請の大きなメリットです。
しかし、電子申請は紙で申請していた時と異なる部分があります。例えば、いざ申請を行う際に戸惑うことや、申請しても手続きが返戻になってしまうことがあります。
そうならないために今回は離職票申請時の紙申請と電子申請の一般的な違いについて4点お伝えします。
目次
1. 離職票(安定所提出用)でのご本人様の署名・捺印は不要
紙申請の場合
紙で申請を行う際に以下の2か所にご本人様の署名・捺印が必要。
電子申請の場合
出勤簿、賃金台帳、「離職票の記載内容に関する確認書」、「事業主の疎明書」の照合省略が可能となります。(通称:マルカン)
※認可を受けるには要件を満たす必要があります。
なお、照合省略の許可を受けていない場合はご本人様から署名・捺印は不要ですが、代わりに「離職票の記載内容に関する確認書」を申請時に添付して申請を行います。(本人確認が取れない場合は、「事業主の疎明書」を添付します)
※添付がない場合、返戻となりますので注意しましょう。
2. 文字数制限が発生
紙で申請を行う際は、文字数を気にしながら記入する必要はありませんでしたが、電子申請の場合、文字数の入力制限があります。
住所等について
文字数を超えることは少ないと思いますが、”マンション名”が長いことにより文字数超過する場合があります。
部屋番号を記載すれば”マンション名”を省略する事が可能です。
備考について
特に多いのが備考の文字超過です。
例えば、私傷病により〇〇/〇〇~〇〇/〇〇まで〇〇日間欠勤などです。
備考欄に文字超過する場合は、賃金に関する特記事項へ入力すれば申請が可能です。
3. 旧字体が利用不可
紙申請の場合
氏名・住所に旧字体 「髙(ハシゴダカ)、﨑(タチザキ)」等が含まれていても記入して申請可能です。
電子申請の場合
旧字体を使わずに、常用漢字に置き換えて申請を行う必要があります。
社会保険の取得手続きの際は、備考に旧字体である旨を明記するか、添付を付けて申請を行ってください。
旧字体のため、出力ができない文字が1文字でも含まれると、保険証は原則全てカタカナ表記となります。
※詳細は、e-GovHP「使用可能文字一覧」を参照ください。
4. 公文書の保管は、データ管理で楽々
紙申請の場合
ハローワークの窓口で申請を行い、その場で受理され、離職票1・2の「被保険者用」と「事業主用」控えが発行されます。
個人情報記載されている書類を大きなカバンで手運びし、受付で控えが発行されるまでロビーで待つ。
その後、書類をもって会社へ帰社。かなり時間と精神的負担もかかる作業です。
電子申請の場合
自分のデスクのパソコンが窓口となり、座りながら申請が可能です。
後日ファイルデータ(PDF)にて”公文書”という名称で離職票1・2の「被保険者用」と「事業主用」控えが発行されます。
ポイントは発行された後です。データで発行されるため、控え書類の保管で場所を取ることもなくなり、過去の手続き履歴の参照も時間がかかりません。
ちなみに、各手続きの保管期限は、以下のように義務付けられています。
- 労働保険関係……3年
- 雇用保険に関する書類……2~4年
- 健康保険・厚生年金に関する書類……2年(資格取得・喪失など)
どのように”公文書”が発行されるのか?
◆e-Govの場合◆
雇用保険は1人1ファイルずつ(被保険者用、事業主控え)が戻ってきます。
社会保険は申請人数にかかわらず、1ファイルで公文書が戻ってきます。
※ファイル名は到達番号+枝番号+手続き名称で戻ってきます。
このままだとファイルを開いてみないと、誰の申請かわからないため、内容を確認してファイル名を変更し、管理をする作業が発生します。
◆Charlotte(シャーロット)の場合◆
保険申請種類にかかわらず、1人1ファイルずつダウンロードが可能です。
また、ファイル名の決まりを事前に設定をする事で公文書取得後、ファイル名変更作業が発生しないため、管理が劇的に楽になります。
取得した”公文書”は「Charlotte POST」を使用すれば、人事労務担当者は従業員へメール1通で公文書を送ることが可能となります。
従業員は自ら公文書がどこからでも自分のタイミングで確認する事が可能です。
離職票の公文書を印刷し、退職された方に郵送する手間や費用を削減できますので非常に便利です。
まとめ
紙申請との違いを知っておくことで電子申請のメリットをさらに活かせます。
電子申請の導入は作業効率を大幅に改善するだけではなく、属人化しがちな社会保険申請業務も見える化が図れます。
次回も離職票についてお伝えします。離職票は申請内容(退職理由)よって、入力方法・添付書類が異なりますので、申請がスムーズにできるようご案内していきます。
「Charlotte(シャーロット)」とは?
「Charlotte」は、人事給与システムのデータを活かし、幅広い電子申請(143手続き)に対応。26の人事給与系システムとの連携実績があり、複数のソフトを介さず1つのシステムで行えるSaaS型クラウドサービスです。
●社会保険、雇用保険、労働保険の電子申請 ●36協定や就業規則変更などの労使手続き ●健康保険組合に向けた手続き ●労務担当者が対応する税申告「e-Tax」、「eLTAX」に関する申告
さらにオプションとの組み合わせで公文書や離職票、支払い決定通知書を従業員に自動で届けるサービスなど、労務DXの実現により労務ご担当者様の業務負担を軽減します。
サービス、費用の詳細やデモンストレーション、無料トライアルなど、当サイトよりお気軽にお問い合わせください。
総務省推進のASPIC「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」を取得しています。
認定年月日:2021年2月10日 認定番号:第0245-2102号
デジタル庁 e-Gov最終確認試験合格
デジタル庁の最終確認試験は、民間事業者が開発したソフトウェアを使用してe-Gov電子申請サービスが正常動作確認することを目的としております。民間事業者が開発したソフトウェアの正常動作の確認を目的とするものではありません。
「Charlotte」の開発会社である株式会社ユー・エス・イーは社会保険システム連絡協議会の幹事会社です。
「社会保険システム連絡協議会」とは、総務省行政管理局及び厚生労働省等と、社会保険・労働保険関係手続きの電子申請が可能なソフトウェアを開発・販売・サポートする社会保険システム業界との窓口として、相互の事務連絡、情報交換及び協議等の円滑化を図り、社会保険行政の円滑な執行に資することを目的とした団体です。
「Charlotte」の開発会社である株式会社ユー・エス・イーは税務システム連絡協議会の加盟会社です。
「税務システム連絡協議会」は、税務・会計に関するシステム・ソフトウェアに携わる企業を対象として作られた、税務行政の効率化・省力化とともに納税者の利便性の向上を図り、税務行政のICT化に寄与し、適正な申告納税制度の確立に努めることを目的とした集まりです。1994年に設立され、2022年3月末時点において、税務及び財務関連システムを開発・販売・サポートとする企業33社が加盟しています。
※「Charlotte」は株式会社ユー・エス・イーの登録商標です。(登録商標第5980282号)
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