プロが教える! 電子申請導入のポイント

第25回
外国人の従業員の手続きは日本人と同様?
ローマ字氏名届が必要な場合と不要の場合の違いとは

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公開日:2022年7月14日

ここがポイント!

  • 在留カードの「在留資格」を確認
  • 資格取得・資格喪失の際、外国人情報を必ず記載
  • 「ローマ字氏名届」の添付が必要な手続きがある
  • 雇用保険・社会保険適応外の外国籍の方は、「外国人雇用状況報告書」をハローワークへ提出

社会保険労務士法人アールワンの西嶋です。

近年、日本で働く外国人の方が増加しています。
日本で就業するということは、日本の法律が適用となり、雇用保険・社会保険への加入手続きが必要となります。

今回は外国人従業員の手続きについてお伝えします。

1. 在留カードの確認

外国籍の方が日本で働くためには、「在留資格」を保持していなければなりません。
そのうえで、次のポイントを確認することが必要です。

① 就労が認められている在留資格を持っているか
② 会社で業務いただく範囲が在留資格の範囲内か
③ 在留期間を過ぎていないか

図1

在留カードの例

上記②の補足として、主な在留資格による就労権限の有無を表1にまとめました。

表1

在留資格 就労権限の有無
「永住者」「日本人の配偶者」「永住者の配偶者」「定住者」 制限なし
「技術・人文知識・国際業務」「技能」「芸術」「宗教」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」 「教育」「技能実習」など 在留資格に基づいた業務のみ
「留学」 就労不可

2. 外国人従業員を雇用した際に発生する主な手続き(雇用保険)

以下に該当する方が加入対象となります。

  • 週20時間以上かつ31日以上雇用される見込みがある方

申請書作成の際は、在留カードに記載されている情報を資格取得届の外国人情報欄に入力してください。

Charlotte画面1
※ 単票形式の様式

Charlotte画面1

3. 外国人従業員を雇用した際に発生する主な手続き
(社会保険[健康保険・厚生年金保険])

以下に該当する方が加入対象となります。

  • 1週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上である方
  • 一般社員の4分の3以上である方
  • 1年以上の雇用が見込まれ賃金が月に 8.8 万円以上の方

※ 2022年10月からは従業員101人以上で加入対象となります。

また、「ローマ字氏名届」の添付が必要になる場合があります。
※ 詳細は、本コラム内「4.「ローマ字氏名届」が必要となる場合とは」をご参照ください。

Charlotte画面2

Charlotte画面2

4. 「ローマ字氏名届」が必要となる場合とは

資格取得と資格喪失届の手続き自体は日本人従業員と変わりませんが、「ローマ字氏名届」の添付が必要となる場合があります。
様式は日本年金機構の公式HPからダウンロードしてください。

<ローマ字氏名届が必要な場合>(就労制限がなし以外の方)

  • マイナンバーと年金番号の紐づけがされていない方
  • マイナンバー制度対象外の方

表2
<外国籍の方の手続き添付書類一覧表>

手続き名称 添付書類 注意点
雇用保険被保険者資格取得届 なし 在留カード情報を届出書に記載・入力が必要です
雇用保険被保険者資格喪失届(離職証明書の発行含む) なし 在留カード情報を届出書に記載・入力が必要です
健康保険 厚生年金保険被保険者資格取得届 ローマ字氏名届 マイナンバーと基礎年金番号が紐づいてない場合
健康保険 厚生年金保険被保険者資格喪失届 なし
健康保険被扶養者(異動)・国民年金第3号被保険者関係届 国民年金3号被保険者 ローマ字氏名届 マイナンバーと基礎年金番号が紐づいてない場合

弊社では外国籍の方の手続きでは必ずローマ字氏名届を添付して申請を行うようにしています。
マイナンバーと年金番号の紐づけができていれば添付不要ですが、紐づけができていない場合、別途提出する必要があるため、あらかじめ提出をするようにしています。

<注意点>
「ローマ字氏名届」だけを提出する場合、電子申請が対応していないため、事務所の所在地を管轄する年金事務所へ提出する必要があります。

5. 雇用保険など社会保険の適用とならない外国籍の方を雇い入れた場合

「外国人雇用状況報告書」をハローワークへ提出します。
※ 雇い入れ時と離職時それぞれで提出が必要です。
※ 提出期限は、雇い入れ日・離職日の翌月末日までとなります。

6. まとめ

外国人の従業員が入社・退職するときには在留カードの確認が必須となります。確認後は雇用条件に基づき、各種届出を行ってください。

また、忘れていけないのは、外国人籍の方にも日本人同様に労働基準法が適用されます。
最低賃金を下回る賃金で働かせる、違法な残業をさせる、有給休暇を与えないなどは許されません。法令を順守した内容で雇用契約を結び、就業してもらうようにしましょう。

今後、外国籍の方の雇用は増加していくことが予想されます。
あらかじめ整理を行い、慌てることなく対応できるようにしておきましょう。

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