プロが教える! 電子申請導入のポイント
第35回
雇用保険被保険者番号が不明な場合の電子申請は?
ハローワークで過去の職歴から番号の照会を行えない場合に注意
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ここがポイント!
- 雇用保険被保険者番号とは、雇用保険に加入している個人に割り振られる11桁の番号
- 前職の職歴から雇用保険被保険者番号を照会できない場合は、「新規」で申請
- 複数の被保険者番号がある場合は、統合の手続きを行う
社会保険労務士法人アールワンの西嶋です。
以前、雇用保険に加入したことのある方が新たに入社してきた際、雇用保険や社会保険の手続きを行いますが、稀に入社者の方から「雇用保険の番号が分からない」と言われた経験があると思います。
今回は雇用被保険者番号が分からない場合の対応についてお伝えします。
目次
- 1. 雇用保険の取得手続きについて
- 2. 雇用保険被保険者番号が分からない場合の対応は?
- 3. ハローワークで過去の職歴から雇用保険被保険者番号の照会が行える場合
- 4. ハローワークで過去の職歴から雇用保険被保険者番号の照会が行えない場合
1. 雇用保険の取得手続きについて
雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上かつ31日を超えて雇用されることが見込まれる労働者が加入します。
(法人の代表、取締役、学生、家事使用人は対象外です)
加入すると雇用保険被保険者番号(11桁)が発行されます。
※ 雇用保険被保険者番号は1人につき、1つの番号となります。
雇用保険被保険者番号は雇用保険の給付(失業給付、育児休業給付、介護休業給付など)の受給資格の確認などに使用する大切な番号です。
2. 雇用保険被保険者番号が分からない場合の対応は?
過去に雇用保険に加入した履歴があれば、ハローワークで過去の職歴から雇用保険被保険者番号の照会が行えます。
ただし、前職の職歴から雇用保険被保険者番号を照会できない場合もあります。
まずは、「再取得」で申請を行い、ハローワークで職歴を照会してもらいます。
その後、ハローワークから照会ができないと回答があった場合、「新規」で申請を行う必要があります。
以下では、「再取得」「新規」の場合の2種類の対応方法をご説明します。
3. ハローワークで過去の職歴から雇用保険被保険者番号の照会が行える場合
「再取得」で申請ください。
「被保険者氏名」、「生年月日」、「前職情報」をもとに被保険者番号の照会が可能とのことです。
① 被保険者番号:ダミーの数字(仮番号)を入力
② 取得区分:「再取得」 ※「再取得」を選択した場合、①が入力必須
③ 被保険者となったことの原因:「新規雇用(その他)」
④ 備考欄:前職の情報を記載 ※記入例(○○年○○月 ㈱○○○ 入社)などを記載
または履歴書の写しを添付書類欄に添付
4. ハローワークで過去の職歴から雇用保険被保険者番号の照会が行えない場合
「新規」でご対応ください。
過去の職歴で照会ができなかった場合は、一旦は「新規」で取得手続きを行うことになります。
新規手続きの後、新たな職歴などが判明した場合、被保険者番号の統合手続きを行うことになります。
※ 手続きは「雇用保険被保険者資格取得・喪失届等訂正・取消願」の番号統一欄に記載して行います。
<注意>
複数の被保険者番号がある場合、統合手続きを行っておかないと雇用保険の加入期間が少なくなり、失業給付の受給の際、本来の給付額よりも少ない金額となってしまったり、高年齢雇用継続給付金などの受給資格(雇用保険に5年間加入)の確認の際に要件を満たさなくなるといったケースが生じることがあります。
まとめ
紙での申請と電子申請の申請内容に大きな違いはありません。
電子申請の場合、システムを使用しての申請となるため、注意すべき点がありますが、あらかじめ把握できていればスムーズな対応が可能です。
今後も電子申請への切り替えに役立つ情報を発信していきます。
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