プロが教える! 電子申請導入のポイント

第11回
労働保険の申請手続き(年度更新)が迫っています。
早目に準備し、電子申請で申請を行いましょう!

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公開日:2021年4月27日
更新日:2021年8月18日

ここがポイント!

  • 申請期間が決まっている
  • 年度更新は業種形態によって、申請する様式が異なる
  • Charlotteなら、申請期間・時間に縛られない申請が可能

社会保険労務士法人アールワンの西嶋です。

毎年6~7月に労働保険の申告手続き「年度更新」があります。
年に一回しか申請しない手続きのため、申請手続き自体は難しいものではありませんが、事前の準備などは注意が必要です。
また、この時期は年に一回申請する手続きが重なるため、労務担当者様の繁忙期でもあります。
事前に社内運用や申告書の内容を今一度入社退社が落ち着いたこの時期に振り返りをしておくとスムーズに申告対応ができると思います。

今回は「一元適用事業(継続)」に該当する年度更新についてお伝えします。

注意しなければならないのは、年度更新は電子申請義務化対象手続きでということです。
電子申請を上手に使い申請し、納付までの流れも含め、紙申請と電子申請の違いを本コラムではご説明いたします。

※ 社会保険電子申請義務化についてもっと知りたい方は、「いまさら聞いた 社会保険電子申請利用の義務化」をご覧ください。
Charlotteの企画部女性2名がわかりやすく説明しています。

目次

  1. 1. 年度更新とは
  2. 2. 年度更新の申請の流れ
  3. 3. 紙申請と電子申請の違い・注意点
  4. 4. こんな時どうする? 年度更新(継続)

1. 年度更新とは

ポイント1
労働保険の保険料の種類は3つ

概算保険料:保険成立時または保険年度の初めに賃金総額の見込額をもとに前もって申告・納付する保険料。
確定保険料:保険年度終了後、賃金総額で算出した保険料。(前もって納付した概算保険料を清算を行う)
一般拠出金:石綿による健康被害者の救済の財源として、労災保険に加入している全ての事業主が納付する保険料。

ポイント2
年度更新で提出するものは「年度更新申告書」のみ

「概算保険料」「確定保険料」「一般拠出金」を全て1枚に記載する箇所があります。
そのため、「概算保険料申告書」「確定保険料申告書」の提出は不要です。

ポイント3
年度更新は年に1回行う

基本、申告・納付期間は毎年6月1日から7月10日までとなります。

※ 10日が土日祝日の場合、翌営業日までの申告期限となることがあります。令和3年度は6月1日(火)~7月12日(月)です。
詳細は所轄都道府県労働局又は労働基準監督署にお問い合わせください。

事業所設置時に表1 ①の期間に支払う見込賃金総額から労働保険の保険料「概算保険料」を事前に申告します。
年度更新(継続)は表1 ①の期間で実際に支払った賃金総額「確定保険料」を申告・納付し、
表1 ②の期間(新年度)に支払う見込賃金総額「概算保険料」を申告・納付する手続きです。

表1

ポイント4
年度更新は自社の事業形態によって申告書が異なる

自社がどの事業形態なのか、表2で確認しましょう。

表2

1. 「継続事業・有期事業」

まず、大まかに2種類に分類されます。

  • 継続事業:
    事業の期間が予定されない事業のことをいい、一般的な事業が該当します。
    ※ 有期事業以外の事業が該当します。
  • 有期事業:
    事業の期間が予定される事業のことをいい、開始~終了までの期間限定で保険に入ります。
    期間が有る事業 =「有期事業」となります。

2. 「継続事業・一括有期事業・単独有期事業」

有期事業の会社の場合、さらに2種類に分類されます。事業形態は計3種類となります。
※ 中小企業主や一人親方のために特別加入という制度もありますが今回は基本的な事業のご説明をします。

  • 一括有期事業:
    一工事の概算保険料が160万円未満でかつ、請負金額が1億8千万円未満の事業が該当します。
  • 単独有期事業:
    一括有期事業よりも概算保険料や請負金額が高額な有期事業が該当します。

そして年度更新を行う際は、一元適用事業か二元適用事業のどちらかに分類され、申告用紙が異なります
以下で自社の事業形態がどちらに該当するか確認しましょう。

  • 一元適用事業(継続事業):
    労災保険料と雇用保険料の計算方式が一致します。
    そのため、保険料の申告・納付を労災保険と雇用保険を1本で申告を行います。
    ※二元適用事業以外の事業が該当します。
  • 二元適用事業(継続事業・一括有期事業・単独有期事業):
    労災保険料と雇用保険料の計算方式が異なります。
    そのため、保険料の申告・納付を労災保険と雇用保険を個別に申告を行います。
    主に以下、事業が該当します。
    都道府県及び市区町村が行う事業、港湾労働法が適用となる港湾運送業、農林・水産の事業、建設の事業

今回は冒頭でもお伝えした通り、「一元適用事業(継続)」の年度更新についてご説明いたします。
※「二元適用(継続事業・一括有期事業)」の年度更新については次回のコラムでお伝えします。

2. 年度更新の申請の流れ

申告納付書の用紙は、毎年5月下旬から5月末頃に図1のような封筒で送られてきます。
緑色封筒:継続事業、二元適用の現場労災、事務所労災申請用
青色封筒:二元適用の雇用保険申請用

※ 二元適用の会社は現場労災、事務所労災、雇用保険の3つで申告が必要となりますので、申告書が3通送付されてきます。

※ 用紙に印刷されている会社名などの情報に誤りがないかどうかまず確認しましょう。

図1

年度更新の大まかな流れは表3の通りです。

表3

1. 確定保険料の計算

労働保険料の算定賃金について

  • 労災保険分の算定基礎額:すべての労働者に支払った賃金が対象です。
  • 雇用保険分の算定基礎額:雇用保険に加入している労働者に支払った賃金が対象です。

※ 2020年4月から65歳以上の方の雇用保険の免除が廃止となりました。

※ 2020年4月~2021年3月の申請の際は、免除対象だった方の賃金も含めて確定保険料の算出が必要です。
一般拠出金算定基礎額:すべての労働者に支払った賃金が対象です。労災保険分と同額になります。

※ 育児休業期間中の方が臨時で就業され、賃金の支払が発生した場合、賃金対象となります。

2. 新年度の概算保険料の計算

ほどんどの企業が前年度の確定保険料を記載しています。

3. 申告・納付

申請期間は毎年6月1日から7月10日。※最終日が土日祝日となる場合はこの限りではありません。
申請期間が行政から定められているため、毎年7月10日に近づくと手続きが混雑します
ゆとりをもって6月中に申告・納付を完了しておくことをオススメします。

申告・納付に遅延が発生すると年率8.9%の延滞金が発生します。最初の2カ月は延滞金軽減方の適用年率で計算しています。

納付方法は3つあります。

  • 労働局から届いている納付書を使用し、最寄りの金融機関、郵便局、労働局に納付
  • 口座振替(納付日になったら銀行から自動的に引き落とされます)
  • インターネットバンキング

※ 詳細は東京労働局が発行している「電子納付リーフレット」を参照ください。

※ 申告書を電子申請した場合にのみ電子納付をすることが可能です。
電子申請していない場合であっても、延納(分割納付)を申請した場合の第2期分以降については、電子納付が可能です。

電子で申告手続きを行うと、電子納付の案内が公文書と一緒に通知されます。
ですが、必ず電子納付をしなければならないことはありません。

図2

労働保険の年度更新手続を電子申請で行い、更に保険料納付を現金ではなく口座振替やインターネットバンキングで行えば、金融機関等の窓口へ出向く必要が無くなり、手続きがさらに簡便化されます。

3. 紙申請と電子申請の違い・注意点

紙申請の場合

申告書は3枚1組のノーカーボン複写式となっています。
記入に当たっては、記載間違いがあった場合、細かな訂正方法や手間がかかりますので、申告書のコピーを取り、まずそこに下書きすることをおすすめします。

  • 手書きで申告書の作成します。手書きのため、時間がかかります。
  • 申告前、記載を誤った場合、手書きで訂正可能です。
  • 申告手続き後、申請内容に誤りがあった場合、紙の申告書で訂正します。

図3

参照:厚生労働省資料「2 申請書作成までの流れ」

電子申請の場合

  • 電子納付(インターネットバンクなど)が可能です。
  • 申請手続き後、申請内容に誤りがあった場合、期限内であれば修正申告が可能です。

※ 修正申告に関しての詳細は本コラム内「4.こんな時どうする? 年度更新(継続)」を参照ください。

◆e-Govの場合◆
6月1日が到来しないとe-Govの編集画面が公開されないため、申告手続きができません。

①毎回ログイン時、申告書の右上部に記載のアクセスコードと労働保険番号の入力が必須です。
アクセスコードを入力すると会社情報、前年の申告済概算保険料額が表示されます。

図4

参照:厚生労働省資料「1 電子申請による申告書の提出、電子納付による保険料・一般拠出金の納付方法」

②毎回編集画面に移行する前に、「申請者情」「連絡先情報」を必ず入力または選択する。
③編集画面上にある、「入力支援」ボタンをクリックすると前年度の労働者・雇用保険被保険者人数が表示されます。
④厚生労働省が提供しているエクセル「年度更新申告書計算支援ツール」で計算した内容を編集画面へ転記する。
※ 詳細は厚生労働省が提供している「労働保険関係各種様式」を参照ください。

e-Govの詳しい申請方法は厚生労働省が作成した動画をご参照ください。
労働保険の電子申請説明動画パート2(年度更新申告書の作成、提出編)

◆Charlotteの場合◆
6月1日以前から申告書の作成・予約申請が可能です。
実は・・・年度更新の申請は、3月分の給与の支給が完了していれば、確定保険料・概算保険料の計算を行い、6月1日が到来する前に申請できる状態になります。

7月には社会保険の算定手続きが控えており、年度更新の手続きを早期に完了させることで時間に縛られない業務が可能となりました。
この裏技はCharlotteユーザー様ですと、多くの企業様が利用しているのではないでしょうか?

弊社にとっては大きなメリットとなっています。

Charlotte画面

4. こんな時どうする? 年度更新(継続)

1. 出向労働者の扱いについて

①在籍出向 出向前の事業主と雇用関係を維持しながら出向先で勤務すること。
②移籍出向 出向前の事業主との雇用関係を終了し、出向先で雇用されて勤務すること。

表4

在籍出向している従業員がいる場合、労災保険分は出向先、雇用保険分は出向元で計算を行います。
※ 派遣労働者については、全て派遣元で計算を行います。

2. 賃金に含めないもの

労働保険上の賃金は労働の対価として労働者に支払われているものが対象となります。

賃金扱いとならないもの

  • 慶弔見舞金(結婚など)
  • 出張旅費・宿泊費・赴任手当(経費扱いで支給されるもの)
  • 傷病手当金、休業補償費
  • 解雇予告手当
  • 持株会奨励金など

3. 労働保険の修正申告を行う場合

  • 集計すべきでない手当等を賃金集計してしまった場合(持株会奨励金など)
  • 出向先の会社で出向者の賃金を含めずに申請してしまった場合
  • 雇用保険を遡って取得した場合(年度内の期間を超えて遡った場合)

修正申告の方法は、正しい内容で作成した確定保険料申告書を労働局、労働基準監督署に提出を行います。
※状況に応じて対応が変わります。

紙申請の場合

  • 申請書の上部に「修正申告」と赤字で記載し、申請書は正しい内容で記載する。
  • 労働局に電話し、修正申告である旨と伝える。

図5

電子申請の場合

  • 労働局に電話し、修正申告である旨と伝える。

①申請のみ完了し、納付はこれからの場合

申告期限内であれば、電子申告で修正申請可能です。
※ 申告期限を過ぎた場合、書類での対応となります。
※ 一部ローカルルールがあるかもしれませんので所轄都道府県労働局又は労働基準監督署にお問い合わせください。

②申請と納付が完了している場合

書類での対応となります
申請の際、下記の添付資料が必要です。

  • 労働保険再確定申告理由書(任意フォーム 再申告の理由の記載、事業主の代表者印が必要)
  • 労働保険申告書(誤り分)の写し
  • 差額が発生したことが分かる根拠書類(算定基礎賃金集計表、賃金台帳)
  • 再申請するに至った原因書類の写し

修正申告となった場合、通常の申告よりも手間や労力がかかりますので、申告前の準備の段階で間違いがないか確認を行いましょう。

まとめ

年度更新は年に1回であり、普段社会保険申請に慣れている方でも申請内容の記載方法に手間取う方もいらっしゃることと思います。
また、年度更新は申請可能期間が行政の方で決められているため、時間の使い方も難しいこととも思います。

申請に慣れていない方にとっては、頭を抱える手続きの内の1つなのではないでしょうか?

私は電子申請で解決しました。以前はe-Gov電子申請を使用していましたがやはり、申請可能な期間が決められているため7月に集中して業務稼働を取られていました。

その点、Charlotte電子申請なら、申請データが手元に集まった時点で申請が可能となるため時間に縛られない申請など業務効率の面で大変助かっています。

次回は年度更新の二元適応にフォーカスを当てて情報をお伝えできればと思っています。

社会保険労務士法人アールワン 様
東京都千代田区麹町1-3 ニッセイ半蔵門ビル3F
TEL 03-5215-1361 / FAX 03-5215-1381
契約社数約140社(2020年4月時点)
スタッフ数12名
ホームページ: https://www.office-r1.jp/

Charlotte(シャーロット)とは

社会保険・労働保険の電子申請を
効率よく簡単におこなえるソリューションです。

2017年6月、行政手続コストを削減するため、厚生労働省は特定の法人に対して社会保険・労働保険に関する一部の手続きにおいて電子申請を義務化すると発表。2020年4月1日以降に開始する特定の事業者の事業年度から、電子申請の義務化が適用されます。

※ 資本金などの額が1億円を超える法人、相互会社、投資法人、特定目的会社が対象

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※「Charlotte」の開発会社である株式会社ユー・エス・イーは社会保険システム連絡協議会に加盟しています。
「社会保険システム連絡協議会」とは、総務省行政管理局及び厚生労働省等と、社会保険・労働保険関係手続きの電子申請が可能なソフトウェアを開発・販売・サポートする社会保険システム業界との窓口として、相互の事務連絡、情報交換及び協議等の円滑化を図り、社会保険行政の円滑な執行に資することを目的とした団体です。

※ 総務省 e-Gov最終結合試験合格
総務省の最終試験は、民間事業者が開発したソフトウェアを使用してe-Gov電子申請システムが正常作動確認することを目的としております。民間事業者が開発したソフトウェアの正常動作の確認を目的とするものではありません。

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