プロが教える! 電子申請導入のポイント

第33回
まもなく36協定の届出時期を迎えます。
返戻とならないポイントをおさえ電子申請を行いましょう。

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公開日:2023年2月20日
更新日:更新日:2023年3月6日

ここがポイント!

  • 建設業や自動車運転などの業務は、2024年4月1日から上限規制が変更
  • 忘れがちなチェックボックスの入力。申請前に必ず入力漏れがないか確認
  • 電子申請なら、初年度のデータを次年度利用できるため、届出書作成の手間が軽減

社会保険労務士法人アールワンの西嶋です。

間もなく時間外・休日労働(36協定)の締結と届出時期を迎えます。

昨年から電子申請での届出が増加しており、今年も多くの会社で電子申請を利用した36協定の届出が行われるのではないでしょうか。
今回は電子申請で返戻とならないためのポイントと私が実際に電子申請を行ってみて感じたことについてお伝えします。

1. 時間外・休日労働(36協定)とは

時間外・休日労働については、労働基準法第36条の「労働者は法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働者(労働組合)と使用者で書面による協定を締結しなければならない」という条文が根拠となっているため、通称「36協定(サブロク協定)」と呼ばれています。

建設業、自動車運転などの業務は2024年4月1日から年720時間の上限規制が適用となります。
(2024年3月31日まで猶予期間となります)

36協定には違反すると罰則があります。
協定を提出せずに時間外労働をさせた、協定で定めた時間外労働の範囲を超えて労働させた場合は、 「6ヵ月以下の懲役 又は 30万円以下の罰金」となるのでご注意ください。

さらに詳しく36協定について知りたい方は、第19回のコラムをご確認ください。
以下についてお伝えしています。

  • 36協定で定めることができる上限時間(通常と特別条項)
  • 36協定の有効期間
  • 36協定締結の流れ
  • 36協定以外で変形労働時間制を採用している事業場

2. 返戻とならないためのポイント

届出前の事前チェックをしっかり行うことが、後に余計な手間や時間を発生させないことに繋がります。特に次の3つが大切です。

1. 電子申請で申請する前に必ず、印刷して入力に誤りがないかチェックを行う。

現在のe-Gov電子申請とCharlotte電子申請は「労働者数や時間、労働者代表選出方法チェックボックス」などに空白があってもそのまま申請が通ってしまいます。

今後、Charlotte電子申請では、入力のチェックを強化していくようです。強化されたら申請前チェックは格段に楽になりますね。実装されたら周知します。

※Charlotte電子申請では、入力のチェックが強化されたようです。これから申請の時期が来ますが、申請を行う方にとってはとても心強いポイントになりそうですね。余談ですが、今回のことを私からCharlotteチームさんにお話ししたのですが、声を反映するスピードと利用者の声を大切にしているところに感銘を受けました。

2. 特別条項での更新の場合、一般本紙の「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」と特別本紙の「臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合」の事由について、同じ文言では受付不可となる。

返戻とならない例は以下の通りです。

(例)エンジニア職の場合
「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」 ⇒ システム障害対応等
「特別条項の臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合」 ⇒ 突発的・臨時的なシステム障害対応等

3. 本社一括申請の場合、一括ツール内の事業場情報が入っているか、本社がリストの先頭になっているかツールのチェックの機能を使用してエラーが無いか確認、申請の際に入力する本社情報に相違がないか確認する。

3. 昨年、電子申請での届出を経験して

昨年から本格的に時間外・休日労働(36協定)の届出を電子申請で行うようになり、いつでも届出ができる体制ができましたので、郵送コスト、業務時間の削減に繋がっています。

電子申請であれば、届出様式の変更がない限り、申請時のデータ(一括ツールや一時保存データ)を保存しておけば、次年度も流用が可能です。初年度の届出の際はデータの作成が必要となりますが、次年度から届出時の負担を軽減できる点もメリットです。

また、協定の内容決定と締結に時間がかかり、労働基準監督署への届出がギリギリになっても、電子申請であればいつでも届出ができるという安心感がありますので、いざという時に頼りになる存在です。

※ 協定の更新日が4月1日で協定の締結が3月31日となった場合でも、無事に受理されれば、3月31日の受付印(電子)の公文書が発行されます。

ただ、忘れてはいけない点もあります。
36協定の電子申請も届出内容に不備があった場合、返戻となってしまうことです。
いつでも申請ができる電子申請のメリットを最大限活かすためにも、届出前の内容チェックは必ず行いましょう。

<実際の運用として>
更新日直前の届出ではなく、更新日の半月前位までには電子申請で届出を完了しましょう。

つまり、4月1日更新の場合は、2月下旬から3月初旬頃までに時間外・休日労働(36協定)の締結と届出準備を行い、 3月中旬頃までには届出を完了させることを目標としましょう(届出内容に不備があっても更新日よりも前に対応が可能です)。

直前の届出になると焦りからミスが生じやすくなりますので、早期に届出できるよう事前準備を行っておくことが大切です。

まとめ

いつでも届出が可能な電子申請は労務担当者に安心感を与えてくれますが、内容に不備があった場合、安心感が不安感に変わります。
電子申請の利点を最大限生かすためにも事前準備と届出前のチェックをしっかり行い、早期に届出ができる体制を整備しましょう。

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