プロが教える! 電子申請導入のポイント

第34回
4月は入退社手続きが最も多く発生する時期です。
イレギュラー対応に備え、電子申請で対応しましょう。

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公開日:2023年3月17日

ここがポイント!

  • 外国人労働者が入社した場合、在留カードの情報を確認
  • 退職者の最終給与が確定していない場合、最終月の給与額を「未計算」として申請
  • Charlotte電子申請なら、あらかじめ申請書を作成し、申請希望日に予約設定をするだけで申請が可能

社会保険労務士法人アールワンの西嶋です。

4月は入退社手続きが最も多く発生する時期です。

申請件数が増えれば、イレギュラーで対応する件数も増加しますが、事前にそれぞれのケースに応じた対応方法を知っておくことでスムーズに申請が可能です。

今回は入退社手続き時のイレギュラー対応について<雇用保険><健康保険、厚生年金>に分けて、7つのQ&形式でお伝えします。

目次

  1. 1. 入社・退職手続き
  2. 2. 入社・退職時のこんなとき、どうしたらよいのか?
  3. 3. 手続きを効率よく行うためには

1. 入社・退職手続き

入社・退職時の主な手続きは、以下の通りです。

発生時期 手続き書類 提出先 備考
入社時 雇用保険被保険者資格取得届 ハローワーク
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 年金事務所、健康保険組合
健康保険・厚生年金被扶養者異動届 扶養する家族がいる場合
国民年金第3号被保険者関係届 配偶者を扶養とする場合(健康保険組合加入の事業所)
退職時 雇用保険被保険者資格喪失届(離職票含む) ハローワーク
健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届 年金事務所、健康保険組合

上記が基本的な手続き一覧となりますが、状況に応じて上記に追加して手続きが生じることがあります。

2. 入社・退職時のこんなとき、どうしたらよいのか?

それでは、7つのQ&A形式でイレギュラー手続きを見ていきましょう。

入社手続き

<雇用保険>

Q1:外国籍の方の場合、何か注意することはありますか?

A1:資格取得届に在留カードの情報(在留カード番号、国籍、在留期間など)を記載する箇所がありますので、在留カードの写しをあらかじめ入社者の方に提出してもらいましょう
また在留カード写しを入手したら、就労が可能な在留資格なのか、行ってもらう仕事の内容が在留資格の範囲内か、在留期間を過ぎていないか必ず確認を行ってください(永住者や日本人の配偶者などでない限り、就労制限があります)。
※ 外国籍の方の手続きについてさらに詳しく知りたい方は、第25回コラムをご覧ください。

 

第25回
外国人の従業員の手続きは日本人と同様?
ローマ字氏名届が必要な場合と不要の場合の違いとは

 

<健康保険、厚生年金>

Q2:入社者から資格取得届に必要な基礎年金番号がわからないと言われた場合、どう対応したらよいか?

A2:基礎年金番号が不明な場合、マイナンバーの記載でも申請が可能です。
両方わからない場合は、資格取得届申請と同時に基礎年金番号通知書再交付申請を行えば、資格取得届の申請が可能です。
※ 基礎年金番号通知書は、手続き完了後、入社者の自宅に届きます。

Q3:被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届(CSV添付方式)が”資格取得届が不受理”という理由で返戻されたがどうすればよいか?

A3:被扶養者異動届は、資格取得届が受理されてからの受理となります。そのため、資格取得届申請後に修正せず被扶養者異動を再申請してください。

退職手続き

<雇用保険>

Q4:給与締日で退職した退職者から離職票を急ぎ発行して欲しいとの要望があったが、最終給与が確定していない場合、どう対応したらよいか?

A4:給与締日での退職の場合、離職票に最終給与の記載が必要ですが、最終月の給与額を「未計算」として申請が可能です。
退職された方が、後日ハローワークで失業給付の手続きを行った場合、会社に対して最終給与額の確認の連絡が来ます。
※失業給付の日額の計算で必要なためです。

Q5:退職者から離職票を紛失したため、再発行して欲しいと依頼があった場合、どう対応したらよいか?

A5:退職者若しくは会社が離職票の再交付申請を行って対応します。
① 退職者が行う場合
雇用保険被保険者離職票再交付申請書と身分証をハローワークの窓口に持参して手続き
② 会社が行う場合
雇用保険被保険者離職票再交付申請書と離職証明書を再度作成してハローワークの窓口にて手続き
※電子申請でも申請が可能です。

Q6:紙で離職票を作成していた際は、備考欄に欠勤や休業などを記載していたが、電子申請では文字数制限があり、全て書ききれません。どうすれば全て記載することができるか?

A6:備考欄(賃金額を入力する右側)には、欠勤や休業、時給から月給制に変更があった等の情報を記載するのに使用します。
書ききれない場合は「賃金に関する特記事項」に記載してください。
電子申請の場合、文字数制限があります。備考欄(16字以内)、賃金に関する特記事項(140字以内)です。
こちらで書ききれない場合は、備考欄に記載するはずだった内容を別資料として作成し、申請時に添付してください。

<健康保険・厚生年金保険>

Q7:退職者から健康保険証の回収ができなかった場合、どう対応したらよいか?

A7:資格喪失手続きの際、回収不能届を添付してから申請を行ってください(協会けんぽの場合)。
健康保険組合加入の場合は、対応が異なる場合がありますので、手続き申請前に加入している健康保険組合へ確認をお願いします。

3. 手続きを効率よく行うためには

手続きを効率よく行うためには、あらかじめの準備と電子申請での対応が最も効果があります。
特に、次の3つが大切です。

① 入社日前、退職日前に手続きに必要な情報や資料を提出してもらい、あらかじめ申請準備を行う(本人の了承を得た上で)
※ 退職時の健康保険証だけは退職日まで使用可能であるため、後日の回収となります。

手続き申請の際、マイナンバーを記載する手続き(主に雇用保険)がありますが、記載なしでも手続き申請は可能です。

すべての情報を揃えて申請できるのが理想ですが、待っていては申請が遅れてしまいます。
先に申請を行い、後日、個人番号登録・変更届をハローワークへ提出して対応しましょう。
※ マイナンバーをまとめて申請する方法を知りたい方は、第14回コラムをご覧ください。

 

第14回
従業員手続きはマイナンバーの記載が必要です。
運用方法を見直すことで手間が軽減されます!

 

② 電子申請で手続きを行う

多くの入社・退職手続きに対応するには、紙での申請では時間を要します。

人事管理ソフトや給与ソフトから申請に必要なデータ(CSV)を出力できる環境がある場合、従業員情報の登録ができれば届出書の作成をほとんど行わずに申請が可能となりますので、手続き申請の時間を圧縮できます。

データ出力の環境がなくても、届出作成プログラムから手続きデータの作成が可能となっています。
手書きで届出書を作成するよりも早く申請が可能です。

③ イレギュラー対応が発生した場合の対処方法を事前に把握しておく

迷いなく手続きに対応するためにも、事前に対応方法の確認を行っておくのがよいでしょう。

早期に手続き申請を行うことで、健康保険証等を入社者の方に早く渡すことが可能です。
(4月は手続き申請件数が多いため、通常期よりも処理に時間がかかる傾向がありますので、早期に申請を行いましょう)

毎年4月は多くの入社・退職手続きが発生する中で、あらかじめの準備と電子申請の導入のおかげで、短い時間で多くの申請を行うことができています。

なお、Charlotteには「予約申請機能」があります。
通常は手続きが可能となる日(入社日など)が到来してから申請を行いますが、Charlotteであれば、あらかじめ申請の予約が可能です。
予約をしておけば、手続き可能日に自動で申請を行ってくれます。

まとめ

4月は1年で最も手続き申請が多い時期です。
毎年、労務担当者の負担が多く大変な時期でしたが、あらかじめの申請の準備ができることと電子申請により、改善することができました

効率よく業務を一緒に行っていきましょう。

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整理を行い、電子申請を活用しましょう。

 

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