1. 会社におけるマイナンバー管理の重要性とリスク

マイナンバーは、行政手続きの効率化や公平な税・社会保障の実現のために導入されました。

しかし、企業にとっては「扱いを誤ると大きなリスクを伴う情報」です。

まず、最も注意しなければならないのが情報漏洩のリスクです。従業員のマイナンバーが外部に流出してしまった場合、企業は法的責任を負うだけでなく、社会的信用を大きく損なうことになります。
特に紙やExcelといった分散的な管理方法では、取り扱いの不備や紛失の危険が高まります。

また、管理コストの増大も避けられません。
社会保険、雇用保険、税務など複数の手続きにまたがってマイナンバーを使用するため、担当者ごとに管理方法が異なったり、確認や転記の作業が煩雑化したりします。
その結果、作業に時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーの発生率も高くなってしまいます。

一方で、正しく仕組みを整えれば、マイナンバーは業務効率化の強力なツールになります。日常的に発生する届出や申請をスムーズに処理でき、従業員への対応も簡便になり、安心感を提供できます。

つまり「マイナンバー管理の体制づくり」は、リスク回避だけでなく業務改善にも直結する重要な取り組みです。

2. マイナンバーが必要となる会社の主な業務

社会保険の手続き

健康保険や厚生年金保険の資格取得届、喪失届、報酬月額変更届、賞与支払届など、社会保険に関わる多くの手続きでマイナンバーの記載が求められます。

特に健康保険組合への資格取得届ではマイナンバーの記載が義務化されており、番号を正確に紐づけることで、申請の不備や行政側での照合が迅速化されます。

雇用保険の手続き

雇用保険関連の業務もマイナンバーは欠かせません。

被保険者資格取得・喪失届、育児休業給付金、高年齢雇用継続給付金などの申請において、従業員ごとの番号が正確に記録されていることが重要です。

番号が自動で紐づけられているため、申請作業のスピードが向上し、人的ミスを防ぐことができます。

健康保険の給付金

出産手当金や傷病手当金などの健康保険における給付申請でもマイナンバーを利用します。

従業員の個人番号をもとに本人確認や資格確認を行うため、申請の正確性が高まり、給付がスムーズに行われます。

労災年金関連の手続き

労災年金の受給請求や賃金証明の提出など一部の手続きでもマイナンバーの利用が求められます。
マイナンバーを用いることで、行政側での照合作業が効率化され、従業員への支給が遅れるリスクを減らすことができます。

税務・法定書類の作成

給与支払報告書、源泉徴収票、退職所得申告などの税務書類でもマイナンバーの記載は必須です。

番号が正確に記載されていれば、税務署や市区町村による確認作業が迅速化し、従業員への対応もスムーズになります。

3. マイナンバー管理の課題

• 情報漏洩リスクの大きさ
  マイナンバーは個人を特定できる非常に重要な情報であるため、万が一漏洩すれば企業には大きな責任が生じます。

  漏洩が発覚した場合は、法的な罰則や行政からの指導に加え、取引先や従業員からの信頼を失う可能性があります。

  特に紙やExcelで管理している場合、物理的な紛失や誤送付、アクセス制限の甘さなどから情報が外部に流出するリスクが高まります。企業が社会的信用を維持するためには、マイナンバー管理の安全性は最優先課題と言えます。

• 分散管理による効率低下
  マイナンバーは社会保険、雇用保険、健康保険、税務など幅広い業務で必要となるため、管理が部門ごとにバラバラになりやすい傾向があります。

  たとえば人事部門が収集した番号を労務部門や経理部門が改めて確認するなど、二重三重の手間が発生するケースも珍しくありません。その結果、「誰がどの番号を最新で保管しているのか」が不明確になり、必要な時にすぐに利用できないという問題が生じます。

• 転記作業によるヒューマンエラー
  雇用保険の資格取得届や、源泉徴収票、健康保険の賞与支払届など、従業員ごとにマイナンバーを記載する場面は多岐にわたります。

  こうした書類を手作業で処理すると、1桁の打ち間違い、記入漏れ、別人の番号と取り違えるなどのエラーが起きやすくなります。
  小さなミスでも役所から差し戻されれば再提出が必要となり、業務の遅延や従業員への不安を招くことになります。

• 従業員とのやり取りの煩雑さ
  マイナンバーを収集する際には、本人確認書類と番号確認書類の両方が必要です。

  従業員にとっては「どの書類を提出すればいいのか」「スマホで撮影したもので足りるのか」といった疑問が生じやすく、担当者には多くの問い合わせが寄せられます。
  メールや紙ベースでのやり取りは手間がかかり、やり取りが長引けば情報収集のスピードも落ちてしまいます。

4. Charlotteで実現する効率的なマイナンバー活用

従来のマイナンバー管理システムは「安全に保管すること」が主な目的でした。
しかし、実務担当者にとって本当に必要なのは、保管に加えて「申請や届出で効率的に活用できる仕組み」です。

Charlotteマイナンバーは、この「保管」と「活用」を両立している点が大きな特徴です。

• 自動転記で作業を効率化

  Charlotteでは、保管しているマイナンバーを申請データに自動で付与できます。
  社会保険の資格取得届や源泉徴収票など、日常的に発生する書類への番号入力が不要になるため、作業時間を大幅に削減できます。(図１)

  図１

  

• 幅広い手続きに対応

  Charlotteは雇用保険・社会保険・税関連といった多数の手続きに対応しています。

  雇用保険/19手続き	社会保険/34手続き	税/16手続き
  雇用保険　資格取得届	健康保険・厚生年金保険 資格取得届	給与支払報告
  雇用保険　資格喪失届	健康保険・厚生年金保険 資格喪失届	特別徴収に係る給与所得者異動届出
  雇用保険 十六歳到達時等賃金証明書及び受給資格確認・高年齢雇用継続基本給付金	健康保険・厚生年金保険 報酬月額変更届/70歳以上被用者月額変更届	退職所得に係る納入申告及び特別徴収税額納入内訳届出
  雇用保険　育児休業給付金	健康保険・厚生年金保険 賞与支払届/70歳以上被用者賞与支払届	給与所得の源泉徴収票等の法定調書(及び同合計表)
  雇用保険　個人番号登録・変更届	健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書	など
  など	健康保険 被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届
  	など

  資格取得・喪失届や賞与支払届などの頻度の高い業務も網羅しており、実務負担を大幅に軽減できます。

• 従業員とのやり取りもスムーズ

  マイナンバー収集時、従業員はスマホで本人確認書類を撮影して送るだけで完了。
  メールアドレス登録も不要で、ペーパーレスかつ簡便に情報を収集できます。

• 管理の一本化で安全・安心

  マイナンバーの収集・保管と電子申請を一本化することで、情報漏洩リスクを最小限に抑えつつ、業務効率を向上できます。

  システムが自動的に情報を取得して反映する仕組みであるため、手作業によるヒューマンエラーを防ぐと同時に、セキュリティ上も非常に高い安心感を得られます。
  担当者の負担軽減とセキュリティ確保を両立できるのがCharlotteの大きな特徴です。

まとめ

企業においてマイナンバーは、社会保険・雇用保険・健康保険・労災・税務など幅広い業務で必要不可欠です。

しかし、手作業での管理は人的ミスや情報漏洩リスクにつながり、業務効率も低下します。

Charlotteを活用すれば、マイナンバーの収集から申請データへの自動転記までを一元化でき、作業時間を削減しながらミスも防止可能です。

人事・労務担当者にとって、「マイナンバーが必要な時」にセキュリティ遵守と業務効率化を両立できる環境を整えるため、システムの導入を是非検討してみてください。

労務の業務効率化については、以下の記事もあわせてご参照ください。