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【2025年版】法定調書とは?
-電子申告義務化・種類・基準・準備すべきこと-徹底解説!!

公開日:2025年12月17日

企業が1年間に支払った給与や報酬などを税務署へ報告する「法定調書」。
年末調整と並ぶ年明けの大きな業務であり、人事・労務担当者にとって避けて通れない手続きの一つです。

2025年の最新情報を踏まえつつ、実務の流れや注意点を整理して解説します。

1. 法定調書とは

法定調書とは、所得税法などに基づき、税務署への提出が義務づけられている各種書類の総称です。
企業が従業員や外部の個人に支払った金額を税務署に報告することで、適正な課税のための基礎資料となります。

主な提出対象は、給与・賞与、退職金、個人事業主への報酬、不動産使用料などです。
支払い内容ごとに提出の要否が決まっているため、年末から年始にかけてのデータ整理が重要な業務となります。

なお、国税庁が定める法定調書は全部で63種類ありますが、人事・労務担当者が扱うのは給与・退職金・報酬関連が中心です。

退職者や短期間勤務のアルバイトなども含め、給与を支給したすべての人が対象となる点も押さえておきましょう。

2. 法定調書の主な種類

ここでは、実務で扱うことが多い主要な調書を紹介します。
代表的な調書は以下の表を参考にしてください。(主要調書5種類) (表1)

表1

調書名 支払対象 提出義務者・条件(例)
給与所得の源泉徴収票 従業員への給与・賞与 給与支払者。支払金額を問わず必須
退職所得の源泉徴収票 退職金 退職金支払者。支払時に必須
報酬・料金・契約金・賞金の支払調書 弁護士・税理士・ライター・講師等への報酬 1回の支払額5万円超が基準
不動産使用料等の支払調書 家賃・地代等 支払総額15万円超が基準
不動産等の譲受けの対価の支払調書 不動産の売買代金 取引を行った企業・個人
  • 給与所得の源泉徴収票
    従業員への給与・賞与に関する調書で、企業が必ず作成します。税務署への提出、従業員への交付いずれも必要です。
  • 退職所得の源泉徴収票
    退職金を支払った際に作成する調書です。企業は税務署へ提出するとともに、退職者へ交付します。
  • 報酬・料金・契約金・賞金の支払調書
    税理士・弁護士・講師・ライターなど、個人に対して支払った報酬が一定額を超える場合に提出します。
  • 不動産使用料等の支払調書
    事務所や駐車場の賃料を支払っている場合に対象となります。
    一定金額を超える支払いがある企業で提出義務が発生します。

3. 2027年提出分への対応準備と実務上の注意事項

現在、電子申告が義務となるのは、「前々年に提出対象だった法定調書が100枚以上」の場合です。

しかし、2027年1月31日提出分(2026年分の支払)から、基準が「30枚以上」に引き下げられます。基準が大幅に引き下げられることで、電子申告が避けられない企業が一気に増える見込みです。

注意すべきなのは、この判定に使われる“基準となる提出枚数”が2025年分の法定調書であることです。
つまり、2025年に作成する調書が30枚以上になる場合、2027年の提出分から電子申告が必須になる可能性が高くなります。

制度開始まで余裕があるように見えて、実務の準備期間は実質的に「今年から」スタートすると考える必要があります。

さらに、電子申告の義務判定は調書の種類ごとに行われます。
例えば「給与所得の源泉徴収票は30枚以上だが、報酬の支払調書は30枚未満」というケースでは、給与の源泉徴収票だけ電子申告すればよく、その他の調書は従来どおり書面提出でも差し支えありません。

種類別に細かく判断される点は、担当者が誤解しやすい部分でもあります。
加えて、提出枚数のカウントは法人番号ごと(提出義務者単位)で判定されます。

本社と支社がある企業の場合、それぞれの拠点ごとに作成する調書の枚数で判定する仕組みです。全社合算で判断するわけではないため、特に複数拠点を持つ企業では、拠点別の提出枚数を確認することが欠かせません。

参照:国税庁_e-Tax等による法定調書の提出が義務化されています!

4. 法定調書の提出方法

法定調書は支払った年の翌年1月31日に所轄の税務署(給与支払報告書は市区町村)へ提出を行います。

提出方法は以下のとおりです。

  • e-Tax(インストール版)
  • e-Tax(WEB版)
  • eLTAX(地方税電子申告)
  • 光ディスク(CD・DVD)
    注意:なお、光ディスク提出は当面認められていますが、今後は電子申告への移行が推奨されています。

e-Tax(インストール版)

PCに専用ソフトをインストールして利用する方法です。
63種類ある法定調書のほぼすべてに対応しており、幅広い帳票を一括で作成・提出できます。
利用には事前の環境設定や利用者識別番号の準備が必要です。

また、操作方法は公式マニュアルで詳しく案内されているため、初めて利用する場合は事前に確認しておくと安心です。

なお、2021年以降は一部の法定調書についてCSVデータでの提出にも対応しており、社内システムから出力したデータを活用しやすくなっています。

e-Tax(WEB版)

インストール不要で、ブラウザ上で帳票作成から提出まで完結できる仕組みです。
対象となる法定調書は限られていますが、企業が日常的に扱う主要な帳票は網羅されています。

【WEB版で対応している主な帳票】

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
  • 報酬や料金などの支払調書
  • 不動産使用料の支払調書
  • 不動産の譲受対価に関する調書
  • 不動産売買や賃貸の仲介手数料に関する調書
  • それぞれの合計表(給与、支払調書など)

インストール型より対象は少なめですが、「給与」と「報酬」関連はひと通り対応しているため、事業所規模によってはWEB版でも十分に運用できます。

eLTAX(地方税電子申告)

給与支払報告書など地方税関連の帳票を提出する際に利用します。
近年は国税と地方税の連携が進んでおり、給与所得の源泉徴収票と支払報告書をまとめて作成・送信できるため、二重作業の削減につながります。

eLTAXを利用する場合も、e-Tax同様に利用者識別番号の取得や電子証明書の設定が必要です。地方税の提出が多い企業では、e-Taxと併用することで業務効率を大きく改善できます。

光ディスク(CD・DVD )

大量の法定調書を扱う企業では、光ディスクによる提出という選択肢もあります。
事業規模が大きく帳票枚数が非常に多い場合、電子申告より光ディスクの方が運用しやすいケースもあります。

提出方法や仕様には細かなルールがあるため、国税庁が公表しているガイドラインを確認したうえで作成することがポイントです。

参考:国税庁_法定調書のe-Tax等による提出義務化の概要について_(2)提出方法

5. 法定調書作成の流れ

法定調書の作成は、年末調整が終わったあとに本格化します。実務の標準的な流れは以下のとおりです。

  1. 年末調整で支払額・源泉徴収税額を確定する
  2. 給与・退職金・報酬・不動産使用料などの支払データを整理する
  3. 各法定調書と「法定調書合計表」を作成する
  4. 税務署へ提出する(1月31日締切)
  5. 源泉徴収票など、必要な書類を従業員や支払先へ交付する

年末調整後のデータを正確に引き継ぐことが、法定調書業務をスムーズに進めるカギとなります。

法定調書作成の前提となる年末調整後の再調整が必要なケースと注意点については以下の記事もあわせてご参照ください。

6. クラウドサービスの導入で業務負担を減らす

電子申告が求められる法定調書が増えるなか、担当者の負担をどう抑えるかは大きな課題です。
まずは、自社が提出すべき調書の種類や枚数を把握し、どの範囲で電子化が必要になるのか整理しておくと、運用に合ったツール選びが進めやすくなります。

電子申告の対象が「給与所得の源泉徴収票」だけの場合でも、年末調整や給与データと連携できるクラウドサービスを使うと、作成から提出までの流れがスムーズになります。

近年は、年末調整データを活用して法定調書を自動生成したり、電子申告形式のデータをそのまま出力できたりと、実務に直結する機能を備えたクラウドサービスが増えています。

Charlotte Taxでも、年末調整データを活用した法定調書の作成や、調書データの出力に対応しています。
社内の給与・人事データとスムーズに連携して作業できる点が大きな特徴です。

  • 年末調整データからの自動連携
  • 調書の作成漏れの防止
  • 電子申告用データの出力
  • 人事・労務情報の一元管理

といった機能が、担当者の作業量を確実に抑える助けになります。

Charlotte Taxについて、詳しくはこちらをご覧ください。
Charlotte Tax | 労務DXならCharlotte(シャーロット)

2027年からの電子申告義務化に向け、2025年分の法定調書が基準となるため、いまのうちに自社が対象となる可能性を確認しておくことが大切です。必要に応じてクラウドサービスの導入を検討しておくと、制度変更後の実務もスムーズに移行できるでしょう。

まとめ

法定調書は、企業の支払い内容を税務署へ報告する重要な業務です。

年末調整に続く年明けのタスクであるため、給与・退職金・報酬のデータ整理を確実に行い、提出期限である1月31日に遅れないよう準備しておきましょう。

また、2027年から電子申告義務の対象が拡大するため、2025年の今年から対象枚数の把握と電子申告の準備を進めておくと安心です。

人事・労務業務のデジタル化を進めるうえでも、法定調書の電子提出環境を整えていくことが求められます。

本コラムの著者

塩坂 うみ

フリーライター

社会保険関連や企業の人事・労務向けのコラムを中心に執筆するフリーライター。美容関連やクリニック紹介、マニュアル作成などの執筆経験を活かし、読者が理解しやすい、実務に即した記事づくりを心がけている

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