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離職票はどこでもらえる?
紙・電子・マイナポータル、それぞれの違いと注意点を解説

従業員が退職する際、「離職票」は失業保険の申請に欠かせない重要な書類です。
人事・労務担当者にとっては、退職後も適切に手続きを進め、スムーズに離職票を交付することが求められます。

一方で、「離職票はどこでもらえるのか」「紙と電子の違いは何か」「マイナポータルでも取得できるのか」といった疑問を持つケースも少なくありません。

本記事では、離職票の基本的な役割や、配布方法として一般的な「紙」「電子」「マイナポータル」の3つについて、それぞれのメリット・デメリットや実務上の注意点をわかりやすく解説します。

1. 離職票とは?

離職票とは、雇用保険の被保険者であった従業員が離職したことを証明する書類で、主にハローワークで失業給付を申請する際に必要となります。

正式には「雇用保険被保険者離職票-1」と「離職票-2」の2種類からなり、退職者本人に2枚セットで交付されます。

この離職票は、退職した従業員が希望した場合に企業が作成・申請を行うのが原則ですが、退職者が59歳以上の場合には、本人の意思に関わらず必ず交付する必要があります。
これは、60歳以降に受給できる高年齢雇用継続給付金などの申請にあたって、離職票の提出が求められるためです。

高年齢雇用継続給付金については以下の記事もあわせてご参照ください。

離職票は、退職した本人が直接申請するのではなく、企業がハローワークに必要書類(離職証明書など)を提出し、その後ハローワークから企業宛に交付される仕組みとなっています。

企業は離職票を、紙や電子などの方法で退職者に届けます。
なお、離職票には以下のような役割があります。

  • 離職者がハローワークで失業保険(基本手当)を申請するため
  • 高年齢雇用継続給付金など、年齢要件を満たす者の給付申請に必要
  • 育児休業給付の一部例外申請時に、前職の離職票が必要となる場合もあり

離職票の紙申請と電子申請の違いについては以下の記事もあわせてご参照ください。

離職票の構成と役割

離職票は以下の2枚で構成されています。

離職票-1
離職者本人が記入する申請用書類です。氏名や雇用保険被保険者番号、退職日、勤務先の名称などの基本情報に加え、失業保険の申請日や振込先口座情報を記入する欄があります。
失業保険の申請時にハローワークへ提出されます。

離職票-2
企業が作成し、賃金支払状況や離職理由などを記載した書類です。
この内容に基づき、失業保険の給付日数や給付額(1日あたりの支給額)が決定されるため、誤記や記載漏れには特に注意しましょう。

2. 離職証明書・退職証明書との違い

離職票と混同されやすい書類に「離職証明書」と「退職証明書」がありますが、それぞれ役割や法的性質が異なります。

まず、離職証明書は、従業員が退職した際に企業がハローワークへ提出する公的な書類です。
これは退職日の翌々日から10日以内に、雇用保険の資格喪失届とともに提出が義務付けられており、ハローワークはこの書類の内容をもとに離職票を発行します。
したがって、離職証明書は企業が作成する「申請用の書類」といえます。

一方、退職証明書は、従業員本人の希望に応じて発行される私的な証明書で、退職した事実を確認するために使われます。
労働基準法第22条により、退職者から発行を求められた場合は、企業は速やかに対応しなければなりません。ただし、退職証明書は公的な文書ではないため、記載内容のフォーマットに法的な決まりはなく、退職者が望まない情報を記載することは禁止されています。

また、退職証明書は退職後も2年間は再発行の請求に応じる義務があります。
離職証明書と離職票はハローワークに提出・交付される公的書類であるのに対し、退職証明書はあくまで企業が退職者の依頼に応じて発行する私的な証明書という違いがあります。

企業の人事担当者は、この違いを理解し、適切に対応することが重要です。

参照:厚生労働省「・労働基準法(◆昭和22年04月07日法律第49号)」

3. 離職票を受け取る方法

離職票は、以下の3つの方法で従業員に交付することができます。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況に応じた使い分けが求められます。

紙(郵送)での受け取り

従来から最も一般的なのが、紙の離職票を従業員に手渡しまたは郵送する方法です。

メリット

  • 書類として手元に残り、視認性が高い
  • 高齢者やITに不慣れな方にも対応しやすい

デメリット

  • 郵送費や印刷コストがかかる
  • 紛失や配送トラブルのリスクがある
  • 発送手続きに手間と時間がかかる

電子データでの受け取り

PDFなどの電子データとして離職票を作成し、メールやクラウド経由で従業員に送付する方法です。電子申請システムと連携させることで効率化も図れます。

メリット

  • スピーディーに交付できる
  • 書類管理のペーパーレス化が可能
  • 郵送の手間が省ける

デメリット

  • データの改ざんリスクやセキュリティへの配慮が必要
  • 従業員によってはPDFの扱いや印刷に不安を感じる場合がある
  • メールで送付する場合、一般的に退職後は企業が提供するメールアドレスは廃止となっている状態の為、個人が持つメールアドレスの管理が必要となってくる。

Charlotteでは、電子データでの受け取りにまつわるデメリットを全て解決できます。
詳しくはCharlotte POSTページをご参照ください。

マイナポータルでの受け取り

これまで離職票などの書類は、基本的に退職前の事業所から紙で送付されていましたが、
2025年1月20日からは、希望する方に対してマイナポータルを通じた電子交付が開始されます。

この仕組みにより、離職票だけでなく、資格喪失確認通知書や雇用保険被保険者期間等証明票といった書類も、本人がマイナポータル上で閲覧・取得できるようになります。

これにより、郵送の手間や紛失リスクが軽減され、利便性が大幅に向上します。
ただし、マイナポータルでの受け取りを利用するには、マイナンバーカードの所持やオンライン環境の整備が必要です。

利用に不慣れな方にはサポートが求められる場合もあるため、企業側は従業員に対して周知や案内を行うことが望まれます。

メリット

  • 紛失リスクが少なく、いつでも閲覧可能
  • 行政手続きと連携して効率的に運用できる
  • 完全オンライン化により非対面で完結

デメリット

  • マイナンバーカードの取得と利用環境が必要
  • 操作に不慣れな方への説明やサポートが必要
  • 一部の自治体や従業員では未対応の場合もある


出典:厚生労働省「2025年1月から、「離職票」をマイナポータルで 受け取れるようになります!」

4. 離職票発行時に企業側が注意すべきこと

  • 期限の管理が重要
    離職証明書の提出は「退職日の翌日から10日以内」と法律で定められています。
    この期限を守らないと、従業員の失業保険給付開始が遅れる可能性が高まります。
    期限ギリギリの対応はトラブルの元になるため、早めの手続きを心がけましょう。
  • 離職理由の記載ミスに注意
    離職理由は失業保険の給付内容に直結する重要な情報です。
    自己都合や会社都合などの区分を誤ると、給付日数や給付額に大きな影響が出るため、担当者は正確かつ慎重に記載する必要があります。
    本人からの情報確認も必須です。
    離職理由ごとの添付書類については以下の記事もあわせてご参照ください。
  • 従業員の希望を確認する
    離職票の交付方法は、紙・電子・マイナポータルなど複数あります。
    従業員のITリテラシーや環境に合わせて希望を聞き取ることで、スムーズな交付が可能です。
    また、希望に応じた説明やサポート体制を準備しておくことも重要です。
  • マイナポータル対応の周知
    マイナポータル経由での離職票交付はこれから普及が見込まれるため、社内での理解促進が必要です。
    従業員に対し利用方法やメリットを丁寧に案内し、必要に応じて操作支援も行うことで、円滑な移行を後押しできます。ただし、従業員がマイナポータル経由で離職票の受領を行う手続きをする前に、企業側からハローワークへ対象従業員のマイナンバーを登録しておく必要がありますので注意が必要です。
  • マイナポータル利用時に発生する問題
    マイナポータルが選択肢として発生したことにより、現場に従業員がマイナポータル経由で受領を予定している場合でも、うまく手続きが進まない事により企業側に届いてしまう事や、逆に従業員が無断でマイナポータルの手続きを進める事により企業側で郵送を予定していた場合に届かなくなる等、一部では混乱している場合もある為、十分な確認が必要となってきます。

まとめ

離職票の配布方法は、紙、電子、マイナポータルと選択肢が広がっており、それぞれに特徴があります。

従業員の利便性や企業の事務効率、IT環境の整備状況をふまえて、最適な方法を選ぶことが大切です。
また、発行手続きや交付期限の管理、離職理由の正確な記載など、人事・労務担当者として押さえるべきポイントは多岐にわたります。

従業員にとって安心感のある離職手続きを提供するためにも、制度の仕組みを正しく理解し、状況に応じた柔軟な対応を心がけましょう。

本コラムの著者

塩坂 うみ

フリーライター

社会保険関連や企業の人事・労務向けのコラムを中心に執筆するフリーライター。美容関連やクリニック紹介、マニュアル作成などの執筆経験を活かし、読者が理解しやすい、実務に即した記事づくりを心がけている。

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